緊急被ばく医療
原子力発電所における原子力災害や労災事故、核テロなど放射線・放射能を含む災害においては、通常の救命救急・災害医療に加えて、どのような放射線に被ばくしたのかを同定し、体内及び体外における放射性物質による放射能汚染に対応する医療、放射線管理の実践が求められます。このような医療を緊急被ばく医療と呼びます。
緊急被ばく医療においては、放射線による健康影響への対応のほか、放射線による健康影響が確認できないレベルの被ばく、あるいは、被ばくしていない人でも放射線、放射能に対して不安を抱くことは、過去の事例からも示唆されていて、その対応も求められます。
緊急被ばく医療は、
・初期被ばく医療:近傍の医療機関、救護所等で展開する外来診療レベル
・2次被ばく医療:地域の基幹的病院、専門性が高い入院診療レベル
・3次被ばく医療:更に高度な専門医療のレベル
の三段階に分類構築されています。
国立病院療養所東北放射線技師会では
仙台医療センターは宮城県の緊急被ばく医療2次医療施設に指定されていて、2次医療機関として求められる専門性を維持するため、外部研修、訓練等が行われています。
その他の指定病院でない病院であっても、国立病院機構病院は施設の公共性が高く、また、診療放射線技師は放射線診療における専門家であり、初期被ばく医療の活動展開等において、その職業的社会責任を果たすべく、技師会として活動マニュアルの作成、研修会の開催等緊急被ばく医療への対応に努めております。