放射線の基礎知識

放射線とは

放射線とは、原子・分子に直接又は間接に作用して、それを電離するだけの十分な運動エネルギーを持った粒子、量子の総称です。
放射線の種類としては通称レントゲンと呼ばれているX線、ガンマ線、アルファ線、ベータ線等があります。

X線とは

X線は波の性質を持つ放射線で、物体を透過する性質を利用して医療用に広く利用されています。 X線の透過能力は原子番号、密度等の組成によりことなり、空気の多い肺の部分はX線がおおく透過し、逆にカルシウム分の多い骨の部分は透過能力が落ちます。その透過能力の差により人体の構造が観察できることとなります。X線の発生は一種の真空管に高い電圧をかけて電気的制御により発生させています。

医療における放射線の利用

X線検査胸部X線撮影、CT撮影、また、造影剤を利用した血管造影等幅広く医療分野で利用されています。
核医学検査医療用の放射性同位元素を利用して代謝機能、形態等を観察する目的で利用されています。
放射性医薬品の大部分はガンマ線を放出する半減期の短い核種です。
写真上列は脳の血流分布の画像です。下の列は標準的な分布からどの程度隔たっているか数学的に計算し色分けした画像です。
放射線治療癌等に大量の放射線を照射して治療を行いっています。
加速器という電子のエネルギーを増大させる装置を使用して高いエネルギーのX線を作り出しています。また、電子そのままで照射されることもあります。
写真はリニアックという放射線治療の装置を使用した治療の様子で、ずれがないよう固定して照射しています。