新年度を迎えて
2019年10月に会長を拝命してから2期3年目を迎えます。2020年の初頭から世界規模に流行した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、今も変異を繰り返し、医療現場、教育現場に甚大な影響を与えています。その影響は当会も例外ではなく、未曾有の事態を経験することとなりました。DX(デジタルトランスフォーメーション)の考えもあり、ITを活用した社会及び組織風土の変革、ニューノーマルな環境に対応できる組織の在り方を考えさせられる転機となりました。
そのような中、執行部及び会員の皆さまのご尽力により、研修会のWEB配信や学術大会ならびに総会をハイブリッド形式で開催するなど新しい形式での運営を可能として参りました。改めまして、関係各位に深く御礼申し上げます。
今では、事業計画はほとんどがどこもWEBを活用したオンデマンドあるいはライブ配信を主流としています。そこで本会では、“WEB配信の充実”そのための仕掛け作りを課題(特に人材(財)育成が最重要事項)として、まずはコンテンツ制作から始めたいと考えています。また、新型コロナ感染症の影響により様々な点で関係性が分断されがちなことに注視して“個々が孤立しないこと”を目標に、各々での活動の強化を図っていけるよう考えていますので、県理事各位が中心となりご尽力をお願いいたします。
ところで、令和4年度診療報酬改定があり、基本的視点として ①新型コロナウイルス感染症医も対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築 ② 安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進 ③患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現 ④効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能の向上の4つの具体的な方向性が示されています(※厚労省HP公開資料2022年3月4日より)。診療報酬改定では、質の高い安心・安全な医療が求められ、報酬の根拠を担保するために医療関係団体や分科会の影響が大きくなっていくと考えられます。つまり、画像診断関連や放射線治療関連では、更なる専門性が必要とされ、職能団体や各専門学会が認定する資格が各部門で求められることになります。
また、改正された診療放射線技師法が2021年10月1日に施行され、新しい時代に入っています。診療放射線技師養成校では、令和4年度入学生より告示研修のカリキュラムが新たに組み込まれており、すでに在籍している学生、現職の技師は、そのアップデートが必須となります。公益社団法人日本放射線技師会(JART)は、昨年7月31日から告示研修(基礎研修)をオンデマンドで開始しており、実技研修についても九州各県ですでに開始しています。この告示研修は、JARTが実施する研修でしか免許のアップデートはできません。会員の皆さまに置かれましてはJARTのHPをご確認いただき、早期受講をお願いいたします。
最後に、本年度、第76回国立病院総合医学会が熊本市で開催されます。 これまで、新潟、仙台と過去2年連続、新型コロナウイルス感染症の影響により、現地開催の機会を奪われてきました。熊本地震(2016年)から6年、力強く復興し続ける熊本に、今年こそは全国の皆さまをお迎えできればと祈念しています。 九州地区一丸となれるよう会員の皆さまのご協力をお願いいたします。