・診療放射線技師は、病院、診療所、企業等を活躍の場とする国家資格を有する医療専門職です。
・人体に対して放射線を当てることが出来る者は医師(または歯科医師)と診療放射線技師だけです。

病院や、療養所などで行う業務には以下のようなものがあります。

一般X線撮影

北海道がんセンター <島津社製 RADspeed Pro>

 X(エックス)線を目的の部位に照射しX線の透過量の差を濃淡の差として画像化する検査です。一般的に「レントゲン撮影」と呼ばれ、健康診断から骨折等の検査まで幅広く利用されています。

乳腺撮影(マンモグラフィ)

北海道がんセンター
<GE社製 Senographe Pristina>

 マンモグラフィは乳房専用のⅩ線撮影検査です。乳房を板で挟み薄く伸ばして撮影します。これは乳腺の重なりを少なくして病変を鮮明に写し出すためでⅩ線の量も少なく出来ます。また板を挟む方向も乳房全体を写すために上下(頭尾方向:CC)からと斜め左右(内外斜位方向:MLO)から挟んで撮影します。

CT検査

帯広病院 <東芝社製 Aquilion64>

 CT(シーティー)はComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略で、からだの周囲のさまざまな方向からエックス線を当てることにより体内の情報を集め、コンピュータ処理をして人体の輪切り像を撮影する検査です。一般X線撮影に比べ体内のより細かな構造を描出することが可能です。検査の目的により、造影剤という薬を静脈から投与して撮影することがあります。造影剤を使用することにより、通常のCTではわかりにくい病変の位置や性質を確認することができます。

MRI検査

旭川医療センター <Philips社製 1.5T Ingenia CX>

 MRI(エムアールアイ)はMagnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略で、放射線を使わず、強い磁石(Magnet=マグネット)と電波を使って写真を撮影する検査で、被ばくすることなくさまざまな角度からからだの断面を撮像することが可能です。ただし、撮像時間(検査時間)が長く、またペースメーカーや体内金属のある方には検査できない、閉所恐怖症の方は検査できない、検査時中の音がうるさい等の欠点もあります。

※検査室内に一切の電子機器・金属品・時計・磁気カード等の持ち込みが出来ません。

血管造影検査

帯広病院 <Philips社製 Allura Xper FD10/10>

 普通のX線撮影では確認が難しい血管を造影剤という薬を用いて、血管の形態や流れ方などを確認することができます。 動脈硬化で狭くなった血管にカテーテルという細い管を通し、風船を膨らませたり、ステントという金属の筒をいれたりすることによって血行障害を改善します。 また、四肢の血管の撮影やペースメーカーの埋め込みについてもこの装置を用いて行っています。

PET/RI検査

北海道がんセンター <GE社製 Discovery MI DR>

 PET(ペット)検査は、Positron Emission Tomography (陽電子放出撮影)の略で、陽電子を放出する薬剤を注射し、それを捉えることができるカメラを使って画像化をする検査です。がんの診断にはFDGというブドウ糖とほぼ同じ性質をもつ検査薬を使用します。ブドウ糖を大量に消費するがんや臓器に集まりやすい性質を持ち、全身を一度に調べることができます。CTやMRIだけでは判断がつかないときなどに行うことにより、診断の精度を上げることができます。

北海道がんセンター <GE社製 Discovery NM630>

 RI(アールアイ)検査は、特定の臓器や組織に集まりやすい性質を持った放射性の医薬品を投与します。投与された放射性医薬品が、目的の臓器や組織に集まったところで、そこから放出される放射線(ガンマ線)を専用のガンマカメラを用いて体外から検出し、その分布を画像化します。

放射線治療

北海道がんセンター <Varian社製 Truebeam STx>

 放射線治療は、リニアックと呼ばれる装置でからだの外側から放射線を照射して、がん等の病気の治療をしたり痛みを緩和します。X線写真で使用するX線の数十倍のエネルギーの放射線を使用します。国立病院機構の治療施設では症例に合わせてX線と電子線を使い分けています。また近年では、リニアックに付属した画像装置で位置照合画像を取得して、位置確認を行ってから照射する画像誘導放射線治療(IGRT)や、放射線量を変化させて多方向から最適な放射線量を照射する強度変調放射線治療(IMRT)などの高精度放射線治療も広く行われています。

※放射線治療では照射中に痛みを感じることはありませんのでご安心ください。

各施設の診療放射線科HP